firewood kiln
私の作る器は穴窯という原始的な窯で焼いたものです。薪を燃料にした窯で炭化焼成という焼き方を行い。多くは黒っぽい焼き締めの器になります。
焼き締めと聞くと備前や信楽などの白土や赤土に灰がかかったもののイメージがあると思いますが、黒い焼き締めも須恵器や珠洲焼など昔からある焼き物です。私の器もベースは珠洲焼きです。黒い器は静かなのに存在感があり不思議な魅力を感じます。器が主張しないので料理などとてもよく映えます。
焼成の仕方も少し変わっていて上げたい温度まで上がったらまず棚板などで煙突を塞ぎます。そうすると焚き口からとうぜん空気を吸わないので炎が噴き出します。
ですがこのままですとまた焚き口から空気を吸ってしまうので躊躇せずに焚き口に薪を入れます。これを2〜3回繰り返して温度を下げていき最後に焚き口や色見穴など空気の入りそうなところを全部モルタルで塞いで終了します。ようは冷ましながら還元焼成です。燃料の薪は空気が入ってこないので土の中から空気を取ります。これが還元状態です。さらに土の鉄分と炭素が反応して黒くなるようです。今どきいい大人が顔を煤だらけにして薪を2日も3日も焚くのもどうかと思われるかもしれませんが私は窯焚きが大好きです。
夜のとてつもない静けさとかほんと良いです。
0コメント